Amazarashi

騒々しい無人 2024 福岡公演の感想

まえがき

「新言語秩序」以来、6年ぶり2度目の参戦となります。
極度の出不精と私生活の都合によりなかなかライブには足を運ぶことができていませんでしたが、最近ようやくいろいろと落ち着いてきたため参戦を決意。「理論武装解除」が大好きな私にとっては、アコースティックライブのツアーというのも決断を後押ししました。
Amazarashiのライブはどうやら複数人で来る方が多いみたいですが、私は靴ひもを結ぶのが苦手なためソロ参加です。

各楽曲の感想

アンチノミー

セトリには入るだろうと思っていましたが、まさか1曲目とは、と驚きました。
好きな曲なんですが、心の準備ができていなかったため曲の世界にうまく入り込めなかった、というのが後から抱いた感想です。でも生歌はやっぱり気持ちいいし一気に「ライブに来た感」を実感しました。

曲が終わり、「ありがとうございます。Amazarashiの秋田ひろむです。」と挨拶。
あれ、「青森から来ました」って言わないんだ…と思いました。もしかしてもう青森に住んでいなかったりするんだろうか。

エンディングテーマ

続けて重めの曲来るなあ!?と二度目の驚き。
といいつつもAmazarashiに軽い曲なんてない(と思う)ので冷静に考えるとよくわからない。
曲が終わるとあちこちからすすり泣きが聞こえ、みんな色んなことで悩んでるんだろうなあと物思いにふけったりしました。

リビングデッド

「歌いたい曲を歌おうと思った」的なMCから「14歳」か?と思ったらかっこよイントロで三度目の驚き。

劣等感も自己嫌悪も 底まで沈めたら歌になった
死に切れぬ人らよ歌え

思えば2017~2019くらいが一番Amazarashiに沼っていた時期で、当時は仕事で失敗続きだったこともあり、上記の歌詞にすごく勇気づけられていたなあ、と思い出しました。
赤いライトアップがまさに「リビングデッド」の雰囲気を醸し出していてよかったです。

ロストボーイズ

「七号線ロストボーイズ」の中でも特に好きな曲です。
好きな曲なんですが、正直な話、後述の理由でこの辺りは特に曲に集中できておらず感想が書けそうにありません…。申し訳ない。

ワンルーム叙事詩

「音楽で飯が食えるようになる前、喫煙所でAmazarashiのTシャツを着ている人を見かけて頑張ろうと思った、その頃に作った曲」的なMC。

秋田さんの苦労話からしか得られない栄養があり、その栄養を糧に私は頑張ることができます。
ただただ感謝です。

肝心の曲ですが、MCと映像も相まって非常にエモーショナルな体験でした。
紗幕の映像が曲とめちゃくちゃマッチしていてよかったです。

ジュブナイル

じわじわと秋田さんの方向を向き始めていた脳細胞が、一気に軍隊ばりの整列をした感覚がありました。

君が君を嫌いな理由を 背負った君のまま 成し遂げなくちゃ駄目だ

ここ最近いろいろと頑張っていたこともあり、歌詞が刺さりすぎて号泣。
ジュブナイルどころかアラサーですが、刺さるもんは刺さります。
ここではじめてライブに100%体を預けることができたように思います。

曲の最後の方は声が出ていない様子でしたが、そんな姿も愛おしい。
やっぱり難しいんだな、この曲。

そういう人になりたいぜ

秋田さんの後ろの幕が上がり、豊川さんが登場。大好きなこの曲をあまざらしverで聴けることに感謝。
「ジュブナイル」で最高潮の脳に2人の落ち着いた歌声が染みわたります。
演奏の最後に二人で向き合って音を合わせていたのがひたすら尊かった。

光、再考

「次の曲はライブでやりすぎて飽きてたんですけど、久しぶりにやりたくなったのでやります」的なMC。MC多くて嬉しい。
「そういう人になりたいぜ」→「光、再考」の流れ、完璧すぎませんか。
この2曲をあまざらしverで聴けたことがただただ嬉しい。

令和二年

そしてさらに幕が上がり、メンバー全員集合。(欲を言えばもうすこし2人の演奏聴きたかった)
昨年の騒々しい無人のことは知っていたので全員集合には驚きませんでしたが、まさかの「令和二年」には本日4度目の驚きです。

全員で演奏する1曲目にこの曲を持ってきたのは、メンバーみんなで当時を振り返る目的があったのかな、と解釈しました。

パーフェクトライフ

ジュブナイル以上の衝撃を受けました。

上手くいかねぇや っていつもの事だろ 不出来な人間なのは痛いほど分かってる

ライブ当日も含め「上手くいかねぇや」と思うことが非常に多い私はまずこのフレーズで感情があふれました。
というか音源とライブで曲の印象が違いすぎました。
良い曲であることは知っていたはずなのに、それ以上にバンドサウンドの生演奏が良すぎて本日1番の驚愕でした。

紗幕の映像も曲とマッチしていて良かったです。
欠けた文字で不完全さを表しつつ、淡々と歌詞を表示するシンプルめな映像だったのですが、それが逆に音楽の良さを打ち消すことなく引き立てていた印象でした。
そんな極上体験をしつつも、「欠けた文字はどうやって作ったんだろうか、まさかフォントを自作したのか?」とよぎってしまう技術者脳にはちょっと嫌になったり。

ライブが終わった後もこの曲で味わった感動が忘れられず、Spotifyで鬼リピしています。

この街で生きている

「パーフェクトライフ」の興奮冷めやらぬ中、次の曲に。
曲調的には落ち着いた曲が続いているのに、心情はジェットコースターのようです。
安心するサウンドと歌声で一気に落ち着きを取り戻しました。

穴を掘っている

不穏なイントロが始まったので「スワイプ」を期待しているとまさかの「穴を掘っている」。

バンドサウンドの「穴を掘っている」はめちゃくちゃかっこよかったです。
驚愕度合いで言うとパーフェクトライフと同じくらいだったかもしれません。特にバスドラの重い音がずっしりと腹に響く感じが印象に残っています。
あれ?終わった?ラスサビは?と思うくらいの長~い溜めからのラスサビは圧巻。とにかくずっと驚かされっぱなしの演奏でした。

Amazarashiの曲は歌詞を意識して聴きがちなんですが、この曲に関しては終始演奏の方に意識が持ってかれていました。
こういう新しい体験ができるのもライブならではですね。

吐きそうだ

大好きな曲キター!となりました。
思えば「新言語秩序」の時もキター!となっていた記憶があります。

Amazarashiのこういう日常感?を感じる曲がなぜか好きなんですよね。
言葉にならない気持ちは言葉にするべきなんですが、いまだにこの感覚は言語化できていません。共感がしやすいからなんでしょうか。

サビでは豊川さんの方がメインボーカルかと思うくらい声が大きく聞こえました。
この曲は女性の方が歌いやすいんですかね?

まっさら

このライブを通して好きになった曲です。
「永遠市」は他のアルバムと比較するとあまり聴きこんでおらず、思い入れのようなものがある曲が少ないのですが、流石ライブということで、しっかり今回で脳に刻み込まれました。
郷愁を感じる映像とおとなしめの演奏もしっとりしていてよかったです。

夕立旅立ち

「残り2曲になりました。次の曲は最近好きな曲で、Amazarashiの未来を見てるようだからと思います」的なMC。
未来ってなんだろう、と思っていると始まったのは「夕立旅立ち」。

この曲を聴きに参戦したといっても過言ではありません。
思い返せば、「理論武装解除」のこの曲の映像を見たことがAmazarashi沼への後押しになったような気がします。
この曲も「吐きそうだ」と同様になぜ好きなのかうまく言語化できないのですが、どうしようもない郷愁感が心にズキズキ刺さる感覚があって、それがなぜか好きなのかな?と思います。

バンドメンバー総出で奏でる「夕立旅立ち」は、ただただ素晴らしかったです。
最後にバンドメンバー全員と顔を合わせていたのも印象に残りました。別れの曲であるこの曲がAmazarashiの未来と言っていた秋田さんは、あの時何を思っていたのか少し気になってしまいます。

ここで秋田さん以外が退場。

どうなったって

「ライブをやっているとこのままどうなったっていいやってなる感覚がある、その感覚を歌にしました」的なMCから、新曲「どうなったって」。

まさにライブ中の感情を吐露するような曲で、ラストにふさわしいと思える曲でした。
すごく嬉しさで満たされた感覚があって、新曲だからというのもあるけど、秋田さんからのメッセージソングのようにその時は思ったからかもしれません。

曲が終わり、私の脳内には「感謝」の2文字が浮かんでいました。

あとがき

年齢のせいかトイレが近くなってきており、水は抜いたものの席が狭かったのもあって開演直後は不安の方が強かったのですが、見事に吹き飛ばしてくれました。
年々遠ざかりつつあった心も一気に引き戻されてしまったため、まだまだ支えてもらう必要がありそうです。
気が向いたらまた参加したいな。